ペットが重い病気になった時:2~延命はしないという考え方~

18日、大阪府北部で発生した地震にて被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。また、この地震でペットが脱走してしまい、まだ見つからずに探している飼い主さんもいると聞きます。無事に帰ってきてくれますよう、心よりお祈り申し上げます。

おはようございます、HALです。

3回連載の第2回目、ペットが重い病気やケガで回復の望みが無いときに「延命しないという考え方」について、今回はお話ししていきたいと思います。

※連載1回目「ペットが重い病気になった時:1~少しでも長く一緒に…という考え方~」はこちら

◆延命で得られるものは何か

延命というと、あまり良い印象はないと思います。もう助からないのに命だけ繋ぐように見えることから、よく言われるのが「延命は人間のエゴ」というものです。

確かに、ガンの末期で痛み等に苦しんでいるのに、強制給餌や抗がん剤などの投与で苦しみを長引かせるだけ等の場合は、人間のエゴと言われても仕方ないと思います。

では、なぜ、そのような選択肢を、獣医師は飼い主さんに提示するのでしょうか?

それは、飼い主さんの中に延命を望む人が多いことが挙げられます。しかし、それだけではなく、獣医師さんでも“100%治療の効果を予測するのは不可能”ということもあるのです。

実は、確率的にはとても少なく奇跡に近いのですが、中には持ち直して、QOL(生活の質)を保ちながら、それ以上の進行を食い止めることが出来た例もあります。そのような子の場合は、延命と思われる治療を続けていなかったら、その後の生は無かったはずなので、飼い主さんの判断は正しかったと言えるでしょう。

ただし、これは稀な例です。「延命」で得られるものはやはり、“ペットと少しでも長く一緒に居たいという思いが叶えられる”ということが主軸になると思われます。

◆延命をしないという考え方

では、延命をしないというのは、正解なのでしょうか?これは、本当に難しい問題です。

もし、治療をすれば治る見込みがあるのに治療をしない選択をしたなら、これは飼い主失格です。治る望みがある場合も、治療を選択することが多いでしょう。これらは通常「延命」とは言いません。

延命とは、文字通り命を延ばすことですが、そのニュアンスには“命ある時間を延ばすだけ”というものが含まれます。この部分をペットに寄り添いながら良く考える必要があるのです。

その上で、これ以上治療を続けても良くはならない、延命が苦痛を伴うだけのものである等、“ペットにとって負担が大きいだけ”と判断できたなら、自然に任せて最期を看取るという考え方もアリなのではないかと思います。

私も実際に、愛猫には延命しないことを選択しました。

腎不全末期で腹水が溜まり、輸液や点滴で脱水を防ぐ治療も出来なくなったのです。また、老猫ということもあり腹水を抜くことも危険を伴うためできませんでした。排泄も困難になり、摘便という便を掻き出す処置も難しいと言われ、強制給餌しても排泄ができないことから苦しむだけと結論を出したのです。

◆「延命」と「緩和」の差

延命をしないと選択した場合でも、出来ることとは何でしょうか?

なるべく負担のない環境を作ってあげることはもちろんですが、その中には「緩和治療」というものも含まれます。

緩和治療は、よく延命治療と混同されてしまうことがあるのですが、全く別のものです。緩和治療とは、延命のためではなく、痛みや苦しみから少しでも開放されるように施す治療のことなのです。

獣医さんによっては、この緩和治療についても考え方が様々です。こちらから提示して、はじめて緩和治療を考えてくれる場合もあります。ペットの苦しみが少しでも和らぐように、緩和治療の内容についても日頃からアンテナを張っておくことをおすすめします。

◆ターミナルケアについて

「ターミナルケア」とは、緩和ケアのことで、ペットの負担を少しでも和らげるように行う生活面を含めてのケアのことです。

自宅で行うターミナルケアは、通常、獣医師と連携して行います。

自宅では、寝たきりの場合、床ずれを起こさないように時間をみて体位を変えたり、排泄物のケアや目やにや鼻水などのケア、食欲があるのに(※1)自力では食べられない場合、流動食を与えたり、体温調節が難しい場合には温度管理に注意したり…といったことを行います。 ※1:食欲がない場合には強制的な給餌は行わない選択もあります。

ペットは住み慣れた場所が1番落ち着くため、自宅でケアしてもらえることに安心感を覚えることと、不安な気持ちの時に大好きな飼い主さんがそばにいてくれるという安心感が得られることがこのケアの最大のメリットです。

◆看取りと安楽死

自然界に安楽死というものはありません。そのことから、ペットが辛そうに見えても安楽死だけは考えられないと思われる飼い主さんも多いと思います。

しかし、実際に呼吸困難になったり、痛みで寝ることもできなくなったりしたペットを目の当たりにすると、考えが揺らぐこともあるでしょう。

どの選択が正しいということは、誰にも言うことは出来ません。だからこそ、どの選択をしたとしても、後から後悔をしてしまうことがあるのだと思います。

ただ、ひとつ言えることは、“自分の身に置き換えて考える”ことです。その上で出した答えであるのならば、それが正しいのです。後悔する必要はありません。

看取ることを選択した場合、ペットの苦しむ様子を見続けることになりますので、飼い主さんの精神的な苦痛も続くことになると思います。けれど、それも永遠ではありません。ペットは、最期まで生きることを諦めません。その姿勢を「えらいね」「頑張ったね」と、たくさん褒めてあげましょう。

そしていよいよ苦しそうになったら、「今まで頑張ったね、もう頑張らなくていいよ。安心して休んでね」と言ってあげましょう。

◆取り入れたいフラワーエッセンスとは?

このような時期に、ぜひ取り入れたいエッセンスは「エンディングアンドビギニング」です。

エンディングアンドビギニング(終わりと始まり)《パシフィックエッセンス》30ml

誕生から生命の終わりまで、生きていく中での大きな転換期において、受容の力と内なる平安を持てるように導くスプレーです。動物の終末期に、死に向かう過程を静かに受け入れ、安らぎを持てるようにサポートします。また病いや身体の不調の苦痛緩和に役立ちます。緩和ケア段階での、不安定で落ち着きがないペットを落ち着かせます。すべての経絡、特に三焦経、腎経、膀胱経、胆経と督脈に対応します。誕生や亡くなる時など、移行の時に優しい受容と静穏に入っていけるよう導いてくれます。治らない病気などによる安楽死の前の気持ちを落ち着かせるケアにもおすすめです。

これは、終末期を受け入れて心を安定させ、苦痛緩和に対してもサポートしてくれるエッセンスです。

動物は、自分の死を悟りますが、不安を抱えない訳ではありません。その時を迎える前の時間を、少しでも穏やかなものにするために活用しましょう。

今回は、延命しない考え方を中心にお話ししました。次回最終回は、終末期の考え方の総括とホスピスの考え方についてお話ししたいと思います。

HAL

HAL

動物とアロマをこよなく愛するフリーライター兼アクセサリー作家。家にはドーベルマンと雑種の猫がいる。花や自然を題材にした写真を撮るのが趣味。鉱石や貴石等にも興味があり、ジュエリーコーディネーターの資格を取得。鉱石の持つパワーとアロマに関連があることに気付き、現在研究中。